堀江秀一先生は全国のいろんな場所で
月一回か二カ月に一度のレッスンをされています。
今回はその発表会でした。
地元広島の方が半分ぐらいでしたが、
関西や東京などからも参加されていました。

たまたま池田麻矢さんから面白い歌の先生がいるよって
紹介され、去年の7月から個人レッスンを4回、合唱セミナーを2回受けました。
レッスンを受けると次のレッスンまでに
やりたい曲の原曲と楽譜が送られてきます。
なのでレッスンが抜けてもそのCDを聞きながら練習はできます。

堀江先生の所には歌のトラウマを持っている人が結構来るそうです。
私もその一人かな。

彼の教え方は受け手が楽しいし、上手にほめてくれるので
きっといつのまにかトラウマがあったことも忘れると思います。

たとえば 高い音を出す時にかすれたり、ひっくりかえったりします。
そうすると、それがいい! って言ってくれます。
そのかすれたり、ひっくり返った声は 
ゆくゆくきれいな声が出る可能性があるけど、
がんばって出そうする声では
喉を絞めるのでそこでストップがかかります。

がんばるさんのいる声といない声がわかりますか?って言われて
なんとなくわかるって答えると、
がんばるさんのいない声は 音程が不安定だったり、
ちゃんと歌えていないような感じがするもんだって。
でもそれがいいそうです。

今回初めて参加された人の中に
風邪を引いてしまった男性がいらっしゃいました。
本人はかすれてちゃんと歌えていない感じみたいなのですが、
先生がそれいいよって言って。
確かに声は小さくても、優しく響いていい感じの声でした。
たぶん がんばるさんが出れなかった分よかったのかも。
先生も風邪をひいたのは意味があったのかもっておしゃっていました。

自分で聴く声と人が聴く声は異なるそうです。
自分で響いている感じなのに、外には響いていなかったり。

前日にゴスペルの癖でつい外に向かって歌ってしまったのですが、
先生からもっと自分の中に向かって歌う方がいいと言われて
本番ではなるべく内へ向かって歌いました。
人からも本番の方がよかったと言われたので
きっとそれがよかったのでしょうね。

声は背骨に音が振動して出るので、
筋肉が緊張するとうまく響かないそうです。
そのために椅子にだらっと座って歌ってみたり、
上半身は温泉に入っているように歌ってと言われたり。
自分が気持いいと思って歌うのがいいって。

また 横隔膜、喉の筋肉が上がらないように歌うことが重要で、
私たちは高い声を出そうとするとつい目線が上へ行きます。
そうするとつられて喉の筋肉が上がり、横隔膜もあがります。
それを先生は身体で見せてくれるのでとっても納得します。

そして 楽しく教えてもらえるとよりリラックスして声が出やすくなります。

苦手なところを何度も繰り返して練習してはだめとも言われました。
流れが悪くなるそうです。
きっとそれをすると、そこの部分で身体が緊張して
よりうまく歌えないのでしょうね。

コーラスでも人の声や自分の声を聞こうとしなくてもいいって。
はずれていても、そのうち自然に聞こえるようになるからって。
たぶんこれも 聞こうとすると左脳が働き、
より聞こえないってことなんだろうと思います。

CDをかけて家事しながらの鼻歌のような
練習法がいいとも言われました。
それは右脳で歌うためだと思いました。

目を使うと左脳が働きます。これは通訳をしていた時に実感しました。
私は意味をざくっと把握して通訳するタイプなので右脳的なんでしょう。

突如紙を見せられて訳してくれと言われて
頭がうまく働かなかった経験があります。

楽譜を見て、ピアノを弾いて曲を練習するのはバリバリ左脳。
もちろんそれも時には必要だと思いますが。

ピアノと声は音が厳密にいうと違うとも言われています。

今回の曲はオペラ「サムソンとデリラ」の 「あなとの声に私の心は開く」
先生から向いていると言われて楽譜とCDを送っていただきました。
でもその楽譜はCDの音のより高い音だったので、出ない音がありました。
なのでCDの音で歌うことにしたので楽譜があまり役に立ちませんでした。
発表会に出ると決まってからは耳コピで音はとりましたが。
楽譜はあまり使いませんでした。
本番の2日前に正しい楽譜が送られてきました。

ゴスペルをしていた時に音が下がりやすかったのに 
今回練習を録音して聞くとまあまあだったので意外でした。
やっぱり 右脳で練習したからかな。

堀江先生のの教え方は独特だけど
すべて理由があって、理屈にあっています。
その曲を1回しかレッスン受けていないし、
フランス語の歌詞も覚えられるか不安だったので
歌詞を見ていいですか?って聞くと 
後で歌詞見ながら歌っている映像を自分で見るとどうかなって
言われて、がんばって歌詞を覚えました。

歌詞を見ると私が左脳になるのを
先生はわかっていたのかな?
私は左脳と運動機能のつながりが極端に悪いので。

最初から先生の教え方は私に合うなと思いましたが、
今回みなさんの歌を聞いてやっぱりよかったとつくづく思いました。