音楽の翼の全国大会が大阪の生駒の山の上にある
アイアイランドでありました。
堀江先生は北海道から九州まで色々な場所で教えていらっしゃり、
全国大会はその生徒さんたちが集まっての合宿といったところです。
アイアイランドはまるで信州の森のような所にホテル、コテージ、ホール、
プールがある素敵なリゾートです。
ホールの舞台のバックは緑の森でその美しさはびっくりするぐらいでした。
一日目はリハーサルのようなもので、曲を知っている人はみんな舞台に上がって一緒に歌いました。
私はメゾなのでソプラノの人ほど歌える曲はなかったですが、
それでも「落葉松」「愛の賛歌」「ハバネラ」といた私の好きな曲を同じような声の方たちと一緒に歌うのはなかなか楽しい。
最初の夜のお楽しみは生徒さんの歌と、ハウステンボスの歌劇でトップをされていた大國明里さんの即興の踊りでした。
同じ英語の曲を二人の方が歌われたのですが、大國さんの踊りはそれぞれ違っていました。
そしてどんな感じで歌ったかという内容と大國さんの踊りが不思議なくらい合っていました。
またオペラの曲の時も大國さんはその内容をご存じないのですが、内容にぴったりの表現にびっくり。
彼女は受けるインスピレーションそのままに踊られたそうです。
これを見て「表現する」ということを考えさせられました。
何かをすることで自分を表現すると言いますが、ことさらそれを意識しなくてもそのままで表現されているのです。
歌うときにその内容をイメージすることで歌の内容を表現することになりますが、もしその人の思いの中に歌の内容とは関係のないネガティブな思いがあればそれもそのまま表れます。
「自分はだめだ」という思いや、「自分はすごい」という思い、また恐れや苦しさがあればそのまま出るのでしょう。
以前にゴスペルを歌っていた時、グループによって歌がそれほど上手でなくても、グループの仲の良さや歌う楽しさが伝わってきた時は聞いていて
心地よかったですが、うまいんだけど、なんだか聴いていてしんどいってこともありました。
きっとそれは歌う人の気持ちの何かが伝わってしんどくなったのでしょう。
Doing (何をする) ではなく Being (どうあるか)が大切といわれますが
ほんとにそうだなと今回のことで再確認しました。
QHHTに出てくる潜在意識も「何をするかが重要なのではなく、
どういう心の状態でするかが大切。だからなんでもしたいと思うことを
すればいい」と言います。
見えないだけで、思いはダイレクトにまわりに発していて、それを他の人が
無意識でキャッチしているのでしょう。
だから、思いと言葉が違っている場合なんとなくその思いの方を人は
感じてしまうのでしょう。
堀江先生は徹底して喉を使わない響きだけの声を指導されます。
なので歌い方を変えるためにピアニッシモで歌うとか、鼻歌で練習しなさいって言われます。
がんばって練習してしまうと、結局はもとの喉声の癖をさらに強くするだけなので、そういう練習はしない方がいいそうです。
今回篠崎教子さんが響きだけの曲とオペラの迫力のある曲という
まったく異なった歌を歌われました。
彼女は一年間ピアニッシモで歌うように言われたそうです。
堀江先生のメソッドをマスターするとものすごく高い音を響きだけの
ピアニッシモから体の共鳴が加わったすごい迫力の、しかも喉をしめない声まで自由自在になるというお手本を見せていただきました。
かなり高い音を出されると聴いているだけでこちらの喉が詰まる感じがすることが多いのに、今回のソプラノの方々の超高い声を聴いてもこちらの喉がつまることはなかったです。
なんとなく先生の教え方が自分にとってしっくりきたので続けてきたのですがみなさんの歌を聴いてますます先生のメソッドの良さがわかりました。。
二泊三日ずっと歌を歌ったり聞いたりしていましたが、まったく疲れず、気持ちよく聞かせていただけたのはみなさんのその歌い方と、楽しさにあるのだと思いました。
また、いい音楽が奏でられると音楽のディーバがサポートにくると聞きますが、まさにホール中にディーバやスピリットがいっぱいいたと思います。